巻き爪、陥入爪


陥入爪手術(フェノール法)

術前
術後2週間
術後1年

陥入爪は爪の端が自分自身の“肉”に突き刺さり,そこから細菌感染して化膿してくる爪の疾患です。悪化すると不良肉芽と呼ばれる瘤状の組織が盛り上がって出血したり悪臭を放つようになります。痛みのため歩行困難となり、学校生活や社会生活に著しく支障をきたします。適切な治療が行われないと再発を繰り返し、半年、年単位で通院を要する場合もあります。

陥入爪の原因は元々の爪の形、爪白癬による変形、深爪など誤った爪の切り方、体重増加による爪先への負担など様々に指摘されていますが、多くに共通することは、爪の幅が趾の幅に対して相対的に広いことです。したがって、手術は、爪の幅を狭くすることを目的にして当院ではフェノール法を行っています。

フェノール法の最大のメリットは短期間で治癒するということです。当院では患者さんの平均通院期間は2週間で5回程度の通院で終了します(術後2週間の写真を参照)。

ところで、爪の自然な形態は、爪がカーブしながら側溝に吸い込まれるように消える形をしていますが、フェノール法術後の爪は板の端が突然途切れるように終わる形になります(上の写真の術後1年を参照)。このためフェノール法については爪の形を元通りに治せないという批判的な意見もあります。しかし長年患っていた陥入爪が短期間で治るというメリットは、学校生活や社会生活への早期復帰という面から、爪の形態の変化をもってしても否定されるものではないと考えます。

巻爪のワイヤー矯正(マチワイヤ)

ワイヤ矯正施術中
ワイヤ矯正前
ワイヤ矯正2ヶ月後

当院では,多摩メディカル社製の超弾性ワイヤー(マチワイヤ)を用いて爪矯正を行なっています。爪の先端近くに2箇所の穴を開けて超弾性ワイヤーを通します。ワイヤーが真っ直ぐに戻ろうとする力が常に作用して爪の弯曲が矯正されます。マチワイヤのメリットは矯正力が強いので爪の先端がΩ型のチューブに近い強度の巻爪も矯正可能なことです。また爪の内側または外側のどちらかに湾曲が偏っている場合、湾曲の最も強い部分を選択的に矯正できることです。デメリットは爪を短く切っていて先端に穴を開けられない場合があることです。爪矯正の期間は,2ヶ月ごとにワイヤを交換し,半年~1年を要します。

なお,巻き爪,陥入爪に爪白癬が合併していることがありますが,その場合は皮膚科的に抗真菌剤で爪白癬の治療を行ないつつ爪矯正することが大切です。

手術費用

陥入爪陥入爪手術4,200
巻き爪ワイヤー矯正4,500円(自費)
※その他に再診料、薬代が別途かかります。
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